受験会場発表にて
久しぶりに合格発表会場に足を向けた。
時間が少し早かったので、合格発表5分程度前に着いた。
皆、無言である。
今回は、中学入試の受験会場ということもあり。
見渡す限り、親御さんとともに来ている。
中学入試は親の入試と言われるほど、親御さんの力の比重は大きい。
親御さんは、皆、自分の受験発表前のようである。
かなりの人が目を閉じ、無意志かもしれないが祈っている親御さんも多い。
そんな中、布が外され合格番号が開示された。
その瞬間、悲喜こもごもの空間に一瞬にして変わった。
78番、それが私の生徒の番号であった。
布が外された瞬間、私の眼には78番が目に入ってきた。
合格だ。
本当にボーダー上にいたため非常に嬉しかった。
親御さんもすごく喜んでくれ私に感謝してくれた。
生徒を見た。
絶対うれしいはずなのに、うれしそうじゃない。
何故だ?
合格発表で、生徒は同じ学校の友達を見つけていたのである。
どうも、その友達は不合格だったようだ。
親しい友達だったようだ。
合格はしたものの微妙な雰囲気になってしまった。
発表を確認したのち、その友達から近寄ってきた。
そして涙をためながらこう言った。
「俺、頑張りがお前よりも足りなかったみたいだ。俺、絶対高校で受かるから、同じ高校で野球しような。」と、
小学六年生がこういったのである。
すごい。
こいつ、すごい。
ただ、そう思った。
でも、無理をしているのは痛いほどわかった。
傍にいた、親御さんも明るくこう言っていた「はじめる時期が遅かった。でもね、○○は本当に頑張った。一番そばにいたんだから、私が一番わかってる。だから、下を向かず、胸を張って帰ろう」と。
親ってすごいって、心底感じた。
親の偉大さを痛感した。
この親子なら、絶対に高校でリベンジするだろうとも思った。
絆は絶対に深まっただろうとも思う。
もちろん、この職業に就いている以上合格にこだわらなければならない。
絶対に拘る。
しかしながら、合格以上のものを与えたい。
受験は、通過地点だということを、忘れないでほしい。